疏水フォーラムin熊本2009 | 疏水名鑑

疏水サミットin熊本2009が開催されました

去る2009年9月2日および3日の2日間、熊本県下において、「疏水サミットin熊本2009~過去から未来へ、ふるさとの水とみどりを守り育む~」が開催されました。

<疏水サミットin熊本2009>

9月2日(水)および3日(木)の2日間、熊本県下において、「疏水サミットin熊本2009~過去から未来へ、ふるさとの水とみどりを守り育む~」が、九州農政局、熊本県、水土里ネット熊本、全国水土里ネット、疏水ネットワークなどからなる実行委員会の主催によって開催されました。

疏水サミットは、平成18年2月に農林水産省が疏水百選を選定したことをきっかけとして、全国の疏水を管理する水土里ネットなどの関係者が一同に会し、疏水の保全活動に関する情報交換や、疏水の歴史・文化的な価値や多面的な役割に関する一般国民の理解を醸成するための情報発信を行うことを目指して、平成18年に青森県で第1回サミットが開催されました。4回目となる今回は、全国から疏水ネットワーク会員をはじめ、水土里ネット関係者、行政関係者、熊本県内の一般市民など、およそ1300名と過去最高の参加者を数えました。(写真4)

初日は、熊本市の崇城大学市民ホールにおいてフォーラムが行われ、冒頭、サミット実行委員長の荒木泰臣水土里ネット熊本会長が、「このサミットの開催を契機に、食料生産の基となる水資源の重要性などについて、より一層国民の気運の醸成に繋げるとともに、豊かな水土里が次世代に引き継がれることを祈念する。」と開会の挨拶を行いました。

続いて、蒲島郁夫熊本県知事が歓迎の挨拶を行い、「熊本の農産物がおいしいのは水がおいしいからであり、熊本農業の活性化の源は水である。熊本には疏水百選に選ばれた4つの疏水があり、宝であり誇りに思っている。」と述べ、続いて幸山政史熊本市長が、「熊本市は上水道を100%地下水に頼っており、地下水の保全に力を入れている。熊本城は一昨年に築城400年を迎え、昨年は本丸御殿を復元した。是非、足を運んで欲しい。」と市のPRを行いました。齋藤晴美農林水産省農村振興局次長は、「世界的には食料需給は逼迫しており、水資源の安定的な確保が重要な課題となっている。また、日本の疏水は国土に網の目のように張りめぐらされており、このサミットを契機に疏水の存在をより多くの方に知ってもらい、先人たちが築きあげた疏水の保全活動が活発化し、疏水を次世代に継承する取組が更に発展するよう期待している。」と挨拶しました。


 

<基調講演:大山のぶ代 女優・声優・水の研究家>

イメージ基調講演は、人気アニメドラえもんの声役を長年務め、水の研究家としても知られる女優で声優の大山のぶ代さんが、「たかが水、されど水」と題して行い、幼少の頃に自身の祖父母から水の大切さを教えられたことで水のことが好きになった話を紹介し、「水は天からのもらいものであると同時に地面からのもらいものである。水を大事にし、いい水を使えるようにしたい。」と話されました。

<話題提供:ミュージカル 「セイスフェアリー」>

イメージ続いて、話題提供として、熊本市立碩台小学校の子ども達による水をテーマとしたミュージカルが披露され、「水を大切にして未来に残せるように」とのメッセージが伝えられました。

<パネルディスカッション>

パネルディスカッションは、疏水百選選定委員会の座長を務めた東京大学大学院教授の林良博氏をコーディネーターとして2部構成で行われ、「先人の努力と疏水の役割」と題した1部では、まず、黒川・白川河川流域水土里ネット連携協議会事務局長の甲斐純一郎氏から、熊本県における疏水の歴史や農業について紹介があり、農村振興局次長の齋藤晴美氏からは、世界の水事情と日本の農業用水の情勢、農業用水の多面的機能の発揮に関する施策について紹介がありました。また、東海大学教授の市川勉氏からは、熊本地域の豊かな地下水が、江戸時代から続くザル田による地下水かん養などの知恵と工夫よって生み出されたものであり、これを守っていくために取り組まれている白川中流域での湛水田などの事例が紹介されました。

イメージ2部に移り、「水とみどりを守り育む」と題して、各地で様々な立場で取り組まれている事例が紹介されました。齋藤氏からは、多面的な機能の発揮のために取り組まれている全国の3つの事例が紹介され、サントリービジネスエキスパート株式会社環境活動部長の髙屋雅光氏からは、熊本を含め全国で取り組んでいる「天然水の森」など、企業として地元と連携して水の保全に取り組んでいる事例が紹介されました。また、熊本市水保全課長の今坂智惠子氏からは、熊本市において地下水を保全するために市民ぐるみで取り組んでいる節水運動や学校教育、さらには全国初の取組である「くまもと『水』検定」といったユニークな事例も紹介されました。さらに、甲斐氏からは、農業者自ら上下流で連携して取り組んでいる水源かん養林「水土里ネットの森」の事例が紹介されました。

最後に、コーディネーターの林氏が、「今日ほど大変な時代はない。WTOと食料自給率向上という、解答困難な道を歩まなければならないが、草の根から運動をやっていくことが基本である。農業においては、疏水をはじめこれまで守ってきた確かなものを伝えていくことが必要である。」と結んでフォーラムの幕を閉じました。

<現地研修>

2日目は、県内の特徴的な疏水を中心に巡る現地研修が行われ、参加者は2コースに別れて、それぞれ通潤橋や白川水源、鼻ぐり井手などの現地を視察しました。

今年の疏水サミットは、これまでになく一般の参加者が多く、疏水を管理する水土里ネット関係者にとっても、一般市民への情報発信の効果について刺激を受けたものとなりました。


(片山松翁碑) (白川水源) (通潤橋)

<『疏水サミット in 熊本』が取り上げられた新聞記事>

<外部リンク>

  • 疏水クイズ
  • 水土里ネット

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