季刊 新・田舎人

「新・田舎人」は地域住民や都市住民まで、幅広い人たちに、農業や農村について関心を持ってもらうための情報誌です。地域のみなさんに、水と土を守るための活動について考えてもらうきっかけ作りをお手伝いします。
冊子は、道府県や道府県水土里ネットなどから市町村、公共施設等へ配付されていますが、より幅広く提供するため、編集部からも、個人、団体へ直接提供しています。地域の公民館などに配置して、幅広く住民に関心を持ってもらうための条件づくりに、また家族で考えるための話題提供に、情報誌「新・田舎人」をご活用下さい。

◇年間1部4回1,680円(420円/冊)です。
申込はこちら

◇「新・田舎人」は、道府県のふるさと水と土基金等を活用して発行されています。

最新号のご案内

水土里の巻頭言

 農福連携による地域活性・未来への期待
   一般社団法人JA共済総合研究所
    主席研究員 濵田健司さん

新・田舎人インタビュー

 農業高校では命と向き合い、生きることの意味を掴んでいく。
 普通科高校にも農業実習を取り入れれば、たくましい本物の
 エリートが育つと思います。
   
教育評論家 尾木直樹さん

日本ぐるりと 疏水さんぽ

 長きにわたる地域の悲願を
 先人たちが苦闘の末に成就
 東北有数の穀倉地帯へ

 秋田県大仙市 ほか2市町
 田沢疏水

多面的機能支払交付金活用事例紹介

 農家・非農家の垣根を取り払い、
 将来を見据えて地域ぐるみで邁進
  
石川県羽咋(はくい)市
 「邑知潟(おうちがた)水土里ネットワーク」

農業農村整備優良地区

 鹿児島県 一ツ木地区
  「農事組合法人ひとつき」

ふるさと水と土基金活動事例紹介

 荒れた棚田をソバ畑に再生
 山里に彩りを添える紅白の花々
 
愛知県豊田市稲武(いなぶ)地区
 「中馬(ちゅうま)蕎麦倶楽部」

水土里通信
北海道勇払郡 厚真(あつま)町土地改良区

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『新・田舎人』宣言

小学生の頃、日本は人口密度の高い国だと教わった。
細長い、竜の落とし子のような国土に、その70%を森林として維持しながら1億2千万人が暮らしている。
同じ程度の国土を持つあのイギリスですら、たかだか6千万人。森林は10%に過ぎない。
すでに江戸時代から人口密度は世界一だったらしい。どうして、そんなに人が多いのか。
富山和子さんが『日本の米』(中公新書)に書いている。
「ちなみに19世紀、ヨーロッパでは、1人養うのに1.5ヘクタールの土地を必要とした。これに対し日本では江戸時代、1.5ヘクタールでは15人を養っている。」
驚くべき国土の豊饒さ。
精度の高い測量技術や、大地にまるで血管のように張り巡らざれた水利の妙。
あらゆる辛酸に耐え、闘い、神業のような灌漑システムを作り上げてきた日本の農民。
水と土と人との、壮大、かつ緻密なネットワークだ。
その偉業は、ピラミッドや万里の長城の比ではないという。
人口が多くなったのは、それだけ多くの人間を養える国土を築き上げてきたからだ、と。
こんな素晴らしい国土か、世界のどこにあろう、と。
また、狭い国ながら、それぞれの地域は様々な特性を持っている。
そこには、桜並木、たんぽぽ、れんげ。
かえるや蝶、かぶと虫、風、雨、雪、気温や川の流れ、太陽の光さえも、
貴重な地域の資源としていきづいている。
そして、農業や人間の営みから生まれた文化や伝統。
これらはすべて、先人が築き上げてきた日本の財産。
二千年かかって築き上げてきた水と土と人か織りなす芸術。
無資源国といわれる日本の、唯一の、貴重この上ない環境資源である。
今、ヨーロッパか追い求めているものこそ、この環境資源なのである。
それを、私たちの時代、この国は放棄しようとしているのではないだろうか。
そうは問屋がおろすまい。
新・田舎人。
そう、この名称が私たちの精一杯の気取り。
日本の農業・農村を守るあらゆる闘いに向けての、なけなしの、だが、力一杯の宣言。

『新・田舎人 創刊号 1994.3より』

 

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