「農」を明視する ネオ・カルチャーマガジン 季刊 新・田舎人
「新・田舎人」は地域住民や都市住民まで、幅広い人たちに、農業や農村について関心を持ってもらうための情報誌です。
地域のみなさんに、水と土を守るための活動について考えてもらうきっかけ作りをお手伝いします。
 冊子は、道府県や道府県水土里ネットなどから市町村、公共施設等へ配付されていますが、より幅広く提供するため、編集部からも、個人、団体へ直接提供しています。 
 地域の公民館などに配置して、幅広く住民に関心を持ってもらうための条件づくりに、また家族で考えるための話題提供に、情報誌「新・田舎人」をご活用下さい。

◇年間1部4回1,600円(400/冊)です。  申込はこちら

▼「新・田舎人」は、道府県のふるさと水と土基金等を活用して発行されています。
新・田舎人 第69号 (2011.9月発行)

●新・田舎人インタビュー
 「農村コミュニティの復興」こそが
 農村と農業にかかわる復興の包括的ビジョン
 −荘林幹太郎さん(学習院女子大学教授)−
●ふるさとニューウエーブ
 地域振興に大きく貢献、
 年間67万人が訪れる「道の駅」
 −岐阜県恵那市三郷町
    「道の駅そばの郷らっせぃみさと」−
●ふるさと水と土基金活動事例紹介
 「柚子香る癒しの里」長谷
 豊かな自然・穏やかな時の流れの中、
   交流で進めるむらづくり
●移りゆく「食」と「農」
 50回目を迎えた農業白書
●トピックス
 農地・水・保全管理支払交付金
 ポータルサイトのご紹介
                  ・・・他
これまでの掲載記事(インタビュー、ニューウエーブ)
『新・田舎人』宣言

   小学生の頃、日本は人口密度の高い国だと教わった。
   細長い、竜の落とし子のような国土に、
   その70%を森林として維持しながら1億2千万人が暮らしている。
   同じ程度の国土を持つあのイギリスですら、たかだか6千万人。
   森林は10%に過ぎない。
   すでに江戸時代から人口密度は世界一だったらしい。
   どうして、そんなに人が多いのか。
   富山和子さんが『日本の米』(中公新書)に書いている。
   「ちなみに19世紀、ヨーロッパでは、1人養うのに1.5ヘクタールの土地を必要とした。
   これに対し日本では江戸時代、1.5ヘクタールでは15人を養っている。」
   驚くべき国土の豊饒さ。
   精度の高い測量技術や、大地にまるで血管のように張り巡らざれた水利の妙。
   あらゆる辛酸に耐え、闘い、神業のような灌漑システムを作り上げてきた日本の農民。
   水と土と人との、壮大、かつ緻密なネットワークだ。
   その偉業は、ピラミッドや万里の長城の比ではないという。
   人口が多くなったのは、それだけ多くの人間を養える国土を築き上げてきたからだ、と。
   こんな素晴らしい国土か、世界のどこにあろう、と。
   また、狭い国ながら、それぞれの地域は様々な特性を持っている。
   そこには、桜並木、たんぽぽ、れんげ。
   かえるや蝶、かぶと虫、風、雨、雪、気温や川の流れ、太陽の光さえも、
   貴重な地域の資源としていきづいている。
   そして、農業や人間の営みから生まれた文化や伝統。
   これらはすべて、先人が築き上げてきた日本の財産。
   二千年かかって築き上げてきた水と土と人か織りなす芸術。
   無資源国といわれる日本の、唯一の、貴重この上ない環境資源である。
   今、ヨーロッパか追い求めているものこそ、この環境資源なのである。
   それを、私たちの時代、この国は放棄しようとしているのではないだろうか。
   そうは問屋がおろすまい。
   新・田舎人。
   そう、この名称が私たちの精一杯の気取り。
   日本の農業・農村を守るあらゆる闘いに向けての、
   なけなしの、だが、力一杯の宣言。

                           『新・田舎人 創刊号 1994.3より』